こんばんは、らむずんです。
今回は失敗しない「湯種」の詳しい作り方や、湯種の割合によって変わるパンの特徴などを詳しく解説していきます。
湯種づくり 準備するもの
- ボウル
- 小鍋(湯煎用)
- 小鍋(熱湯用)
- 木べら
- 必要であれば軍手(火傷防止)
※しなりやすいヘラは混ぜにくいです。木べらや、めん棒、すりこぎ棒など硬いものがいいです。
湯種の材料
- 強力粉
- 水
湯種の材料は強力粉と水のみ。
一般的な湯種の配合量は、本生地と合わせたレシピ全体の粉量のうち「10%~30%」です。(10%より少なくても使えます。)
強力粉200gで作るパンなら、そのうち
湯種10%=強力粉20g
湯種20%=強力粉40g
湯種30%=強力粉60g
となります。
湯種に使う水も、レシピの水分全体のうちから使用します。
強力粉:水の比率は、レシピによってさまざまですが、一般的には
強力粉:水
=
1:1~2くらいです。
粉と同量~少し多いくらい。
粉の種類によっても質感が変わるのでなんともいえませんが、
1:2だと少しべたつく感じがしました。(作り方が良くなかった可能性もありますが)
なので私はだいたい1:1.5くらいがちょうどいいと感じました。
1:1だと硬めの湯種になります。
湯種づくりの大事なポイント
そもそも湯種とは
小麦粉の一部に熱湯を加えてこねたものを湯種と言います。
小麦粉に一定温度以上の熱湯を加えることで、小麦粉が粉から糊(のり)のような状態になり、粘り気が出ます。このことを糊化(α化)といいます。
炊いたご飯をイメージするとわかりやすいですが、炊いたご飯がもちもちしているのも、糊化というものが起きているからです。
なので材料にある水は、沸騰させてから使用します。
出来上がった湯種は、寝かせた後、本生地のコネの段階で混ぜて使用します。
冷蔵庫で寝かせるというレシピが一般的ですが、しっかりと糊化できている湯種であれば、冷めた時点で使えるようです。
私は湯種パンを作るときは、前日に湯種を作って冷蔵庫に入れておき、翌日に湯種を使ったパンを焼く、というように作業を二日に分けています。
湯種パンのメリット
- パンの食感がもちもちする
湯種の配合量が多くなるほど、お餅のようなもちもちとした食感が得られます。
- 保湿力・保水量が上がる
通常のパンではべたつくような加水率でも、湯種を使えばべたつかずに加水の多いパンが作れます。
- 老化が遅い
通常の製法で作ったパンに比べて、時間が経ってもパサつかないパンになります。
- 生地の甘みが増す
焼きあがったパンは、通常製法よりも小麦の甘みや香りが増します。
湯種の配合量による違い
一般的な湯種の配合量は、本生地と合わせたレシピ全体の粉量のうち「10%~30%」ですが、湯種は多ければ多いほどいいというわけではありません。
メリットも多い湯種ですが、多く配合するほど、作業性やパンの出来も悪くなります。
生地が切れやすい、こねにくい、窯伸びしにくい、食感の詰まったパンになるなど。
目指したいパンの食感や見た目によって、配合量を使い分けることも大切です。
10%~と書いていますが、それより少なくても使えます。
- 5%前後=少しだけふんわりしっとり
- ~10%=ふんわり、しっとり
- ~20%=やわらかい、しっとり、もち
- ~30%=もちもち、しっとり
あくまで個人的な感覚だとこんな感じです。
あまりもちもちさせたくないけどしっとりさせたいときは10~15%、とにかくもちもちさせたいときは~30%など。
失敗しないポイント
「熱湯を一気に注いで、即座に混ぜる」こと。
これが湯種づくりで最も重要で、失敗しないための鉄則です。
でんぷんをしっかり糊化させるためには、沸騰させた熱湯の温度は80℃以上であることが理想です。
その熱湯を一気に小麦粉に注ぎ入れ、すぐに混ぜます。
小麦粉は常温、入れ物や空気の温度など、熱湯を注いだ瞬間にも、温度はどんどん奪われてしまいます。
でんぷんがしっかりと糊化するために必要な温度を下回ってしまうと、いつまでもベタベタでまとまらない湯種になってしまいます。
「粉に熱湯を注いで糊化させたもの」を作るはずが、温度が低くなってしまうと「粉を水で溶いたもの」になってしまいます。
熱湯をそそいでからすぐに混ぜずに放置するとお湯に触れている表面だけが糊化し、触れていない部分は十分に糊化できなくなります。糊化した部分とそうでない部分が混ざってしまうとダマになってしまい、パンの食感にも影響しかねません。
「熱湯を一気に注いで、即座に混ぜる」に加えて、より確実に温度をさげないためにできる工夫として、「熱湯を注ぎ入れるボウルと粉をあらかじめ温めておく」という方法。
今回は、その方法での作り方を紹介していきます。
失敗例
上手にできべたつかいやなべたつきがなく、きれいにまとまり、引っ張るとお餅のように伸びます。
「熱湯を一気に注いで、即座に混ぜる」ができなかった場合、いつまでもベタベタでまとまらない湯種になってしまいます。
もう一つは、冷蔵庫で寝かせる工程を、冷蔵庫ではなく、温度の低いチルド室や冷凍庫に入れてしまう、という失敗。
α化(糊のようになった状態)が、カチカチのような状態になってしまうことをβ化といいます。
0℃、または0℃以下の環境に長時間置いてしまうと、このβ化が進み、湯種が抱え込んできた水分が抜けたり、ゴムのように固まってしまいます。
電子レンジで少し温めると柔らかさは戻りますが、一度でもβ化してしまうと、元のα化の状態まで完全にもどらなくなってしまいます。
わたしも実際に、何を思ったのか間違えてチルドで一晩置いてしまったことがあります。出した時にはカチカチで、引っ張るとブチブチちぎれ本当にゴムのようでした。温めて少し柔らかさは戻りましたが、いくら捏ねてもダマになりパンも微妙な仕上がりに。
湯種の作り方
では、詳しい作り方を見ていきましょう。
今回の湯種材料の分量は、以下のレシピの分量と同じ仮定で説明していきます。
↓このレシピ、超自信作ですのでぜひ使ってみてください
強力粉200gのうち、20%を湯種として使用します。
粉:水=1:1.5くらいです。
材料
- 強力粉:40g
- 水:60g
1.強力粉をボウルに入れて湯煎する

熱湯を入れてから温度が下がるのを防ぐために、あらかじめ、ボウルと強力粉を湯煎で温めておきます。
湯煎用の鍋は使いやすい大きさのものを使用してください。
湯煎中ボウルが熱くなりやすいので、軍手などをはめて火傷に注意してください。
2.水を沸騰させる
このくらいの量の水ならすぐに沸騰するので、湯煎しているボウルが温まっていることを確認してから、沸騰させるといいです。
長く沸騰させすぎると蒸発して水分量が減るので気をつけましょう。
ここからはスピード勝負です。
3.強力粉に熱湯を注ぎ入れる

熱湯を入れたあとすぐに混ぜるので、このとき湯煎から取り出しておいた方が混ぜやすいです。
しっかり沸騰させた熱湯を一気に入れるのがポイントです。 (火傷には注意です)
4.すぐに混ぜる
一気に流し入れ手早く一気に混ぜる、がポイント。(強力粉の温度にムラができないように)
粉っぽさがなくなるように、しっかりこね混ぜます。
混ぜ始めてすぐに弾力が出てくるので、餅をつくようなイメージで混ぜます。

弾力が出てまとまってきたら、ヘラや棒、ボウルについた湯種を、ボムベラなどそぎ落としながら湯種を一塊にします。
上手くできていれば、弾力もありつつ、指で引っ張ると伸びます。(寝かすとさらに伸びるようになります)
5.ラップに包み一晩寝かせる

これで、湯種は完成です。この湯種を本生地に加えることで、湯種パンになります。
熱いままラップに包んだり、湯種とラップに隙間があると、水滴がついてベタベタになってしまいます。しっかり冷まして、隙間なく包むことがポイントです。
平たくするのは、均一に冷めやすく、復温がしやすいからです。
6.使う前に復温する。
本生地のコネの段階で、湯種を小さくちぎって入れてからコネます。
湯種の温度は生地の温度に影響するので、本生地を作る30分前には冷蔵庫から出しておき、室温に戻しておきましょう。
冷たいまま使用すると生地温度も下がり、そのあとの発酵のスピードが遅くなってしまいます。
あとは通常通りパン作りを進めるだけ。
- 湯種が本生地の材料とまんべんなく混ざるようにこねる。
- 通常の製法よりも、湯種を入れた生地はグルテンの薄い膜ができにくいので、できるだけよくこねる必要がある。
- 湯種を入れるほど生地は伸びにくくなり、表面が傷つきやすいので、生地は優しく扱う。
まとめ
以上が湯種の詳しい作り方でした。
「熱湯を一気に注いで、即座に混ぜる」
これが湯種パン成功への鍵です。
材料は粉と水だけ。パンを作る基本的な材料があれば、簡単に湯種パンを楽しめます。
さらに、中種などと違って発酵もなし。作ってしまえばあとはほったらかし。洗い物もパパッとできます。
このひと手間(ではないかもしれないけど)で、いつものパンがもちっとふわっと、さらにおいしさがアップします。
ぜひ湯種パンに挑戦してみてください^^