らむずんブログ

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ベーカーズパーセントとは?パン作りに役立つ計算方法と使い方

こんばんは、らむずんです。

今回は、「ベーカーズパーセント」(パンのレシピ配合の表し方)について解説する記事です。

最初に言っておきたいことは、全然難しくないよ!です。

 

これを知っていれば、おうちでのパン作りがもっと自由になる、とても実用的な知識なんです。

この記事では、ベーカーズパーセントの基本の考え方から、計算の仕方、さらに応用まで、順番にわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

ベーカーズパーセントとは?

「ベーカーズパーセント」とはパン作り特有の配合の表し方で、

粉(小麦粉)の量を100%として、ほかのすべての材料を割合で示す方法です。

 

私たちが普段使う一般的なパーセントは、全体を100%として計算しますが、

パン作りでは常に、粉(小麦粉)だけを100%として、ほかの材料を計算するのが、この「ベーカーズパーセント」の特徴です。

 

パンの仕上がりは、粉に対して他の材料がどのくらい入るのかで決まります。

水分の量や、砂糖はどのくらい配合するのかなど、それらはすべて、「粉に対してどのくらいか」がとても重要。

 

粉を基準にして考えるこの「ベーカーズパーセント」を使えば、

どんな特徴のパンなのかが一目でわかるだけでなく、レシピの調整や応用にも役立ちます。

つまり、ベーカーズパーセント=自由に配合を扱うための道具なんです。

 

どんなふうに役に立つ?

分量の変更が簡単にできる

すべての材料の配合比を変えずに、粉の量を変えることが可能です。

 

 たとえばこんなとき

「粉200gの配合を250gで作りたい」

「レシピの倍量で作りたい」

「型のサイズに合わせて調整したい」

「作りたいけど強力粉が10gだけ足りない」

「じゃあほかの材料の分量はどう計算すればいい?」

そこで、ベーカーズパーセントを知っていれば、簡単に他の材料の計算ができるようになります。

粉量を基準にした割合なので、全体の粉量さえ決まれば、他の材料もすぐに計算できるんです。

 

レシピ同士の比較ができる

作りたいパンのレシピをネットで調べると、たくさんのレシピが出てきますよね。

同じ種類のパンなのに、レシピによって材料の分量が違っていて、どれを参考にすればいいか迷うことはありませんか?

 

たとえばこんなとき

「Aレシピはバターの量が少ないのに、Bレシピはバターの量が多い」

「Aレシピにははちみつが入っているのに、Bレシピには入ってない」

「結局どのレシピで作ればいいの?」

 

そんなとき、ベーカーズパーセントで比べれば、違いがはっきり見えてきます。

材料の「量(g)」ではなく「割合(%)」で見ることで、一目瞭然なので、

自分好みのレシピを選びやすくなります。

 

レシピだけでパンの特徴が想像できる

ベーカーズパーセントで書かれたレシピの配合は、割合がはっきり見えるので、

作る前からパンのタイプが予測できるようになります。

 

こんなふうに

「このレシピは油脂の割合が多いからリッチなパンかな」

「砂糖も油脂も少なめだから、粉の風味がしっかり感じられそう」

 

材料の“量(g)”ではなく“割合(%)”で見ることで、

パンの特徴が見えやすくなります

ベーカーズパーセントを知っていれば、レシピが読めるようになって、

自分の好みに合ったレシピを選びやすくなります。

 

レシピを自由にアレンジできる

基本の比率さえわかっていれば、自分好みの配合にアレンジすることができます。

 

たとえばこんなとき

「もう少しだけ甘くしたい」

「もっとしっとりさせたい」

「軽いパンにしたい」

 

そんなとき、グラム表記のまま増減すると、バランスが崩れたり失敗する可能性も。

ですがベーカーズパーセントなら、配合バランスを見ながら安全に調整できます。

 

例:もっとしっとりさせたい

しっとり感=水を増やす=「水+10g増やす」

➡思った以上にべたついてしまい失敗

いきなり「水+10g」となんとなくで増やすのではなく、

「水+1%ずつ」といった増やし方をすると失敗しにくくなります

 

ベーカーズパーセントなら、粉の量に対する割合(%)で少しずつ調整できるので、

微妙な変化を試しながら、自分にとってちょうどいい配合を見つけることができます。

計算方法

さっそく以下のレシピで実際に計算しながら練習をしてみましょう。

《パンのレシピ》

材料 分量(g) ベーカーズパーセント(%)
強力粉 200 ?%
砂糖 20 ?%
3 ?%
スキムミルク 12 ?%
イースト 2 ?%
134 ?%
無塩バター 8 ?%

 

まずはベーカーズパーセントを求めてみよう

グラムで書かれた上のレシピの各材料を、まずはそれぞれベーカーズパーセントに変換してみます。

(小麦粉の量を100%として考え、他の材料が「粉の何%か」を計算します。)

計算式はこちら

 

計算式
「ベーカーズ%」=
「材料の分量(g)」÷「粉の分量(g)」×100

 

この公式に当てはめながら順に計算してみますね。

レシピの粉の量は200gなので、今回はこれを100%とします。

 

砂糖の%を出す

20(砂糖g)÷200(粉g)×100

=10%

なので砂糖のベーカーズ%は10%になります。

塩の%を出す

3(塩g)÷200(粉g)×100

=1.5%

なので塩のベーカーズ%は1.5%になります。

スキムミルクの%を出す

12(スキムg)÷200(粉g)×100

=6%

なのでスキムミルクのベーカーズ%は6%になります。

イーストの%を出す

2(イーストg)÷200(粉g)×100

=1%

なのでイーストのベーカーズ%は1%になります。

134(水g)÷200(粉g)×100

=67%

なので水のベーカーズ%は67%になります。

無塩バターの%を出す

16(バターg)÷200(粉g)×100

=8%

なのでバターのベーカーズ%は8%になります。

 

このレシピのベーカーズ%

全ての材料のベーカーズ%を出し終えました。

表にするとこうなります。

材料 分量(g) ベーカーズパーセント(%)
強力粉 200 100%
砂糖 20 10%
3 1.5%
スキムミルク 12 6%
イースト 2 1%
134 67%
無塩バター 8 4%

 

%を見てg数を求めてみよう

次は、先ほどの逆バージョン。

先ほどのレシピと同じ配合比で、粉量を150gに変えてみます。

%だけで書かれた下のレシピの各材料を、それぞれグラムに変換してみましょう。

材料 分量(g) ベーカーズパーセント(%)
強力粉 150 100%
砂糖 10%
1.5%
スキムミルク 6%
イースト 1%
67%
無塩バター 4%

 

計算式
「材料の分量(g)」=
「ベーカーズ%」 × 「粉の分量(g)」 ÷ 100

 

この式をもとに計算します。

砂糖のgを出す

10(砂糖%)×150(粉g)÷100

=15g

10(砂糖%)×150(粉g)÷100

=15g

なので砂糖は15gになります。

塩のgを出す

1.5(塩%)×150(粉g)÷100

=2.25g

なので塩は2.25gになります。

※塩やイーストは0.1g単位で計算したほうが正確です。

スキムミルクのgを出す

6(スキム%)×150(粉g)÷100

=9g

なのでスキムミルクは9gになります。

イーストのgを出す

1(イースト%)×150(粉g)÷100

=1.5g

なのでイーストは1.5gになります。

水のgを出す

67(水%)×150(粉g)÷100

=100.5g

なので水は100.5gになります。

※塩やイースト以外は小数点以下は切り捨てても大丈夫です

無塩バターの%を出す

8(バター%)×150(粉g)÷100

=12g

なのでバターは12gになります。

 

粉150gに変更したレシピ

全ての材料を出せました。

まとめるとこうなります。

材料 分量(g) ベーカーズパーセント(%)
強力粉 150 100%
砂糖 15 10%
2.25 1.5%
スキムミルク 9 6%
イースト 1.5 1%
100 67%
無塩バター 6 4%

 

このように、作りたい分量、粉量に合わせて、

すべての材料を計算することができます。

塩は少量変わるだけでパンに影響を与えるので、できるだけ正確に出すのがポイントです。他は小数点以下は四捨五入でOK。

 

ベーカーズ%の基本の配合の目安

《配合目安表》

材料 目安ベーカーズ% 配合の目安・使い分け 特徴・注意点
水(加水) 60〜70%前後が標準 50%前後=ベーグルなど
60〜65%=標準
65〜70%=標準・ややしっとり
75%以上=高加水
少ないほど固く、多いほど柔らかい。
ただし、粉の種類で吸水は変わるので調整が必要。
ドライイースト 0.1〜3% 0.1〜0.8%=長時間の発酵
1〜3%=標準
多いほど発酵スピードが速い。
入れすぎるとイースト臭・過発酵の原因。
砂糖 0〜15% 0%=リーンなパン
5〜10%=菓子パンなど
15%以上=リッチ生地
甘み・焼き色・発酵促進。
高配合の場合は耐糖性イースト推奨。
1〜2% 標準はこの範囲内

味・生地の引き締め・発酵制御。
多すぎると発酵が鈍る・しょっぱくなる。入れ忘れ・少なすぎると生地がダレたり味がぼやけることも。

油脂(バター等) 0〜15% 0%=リーン
3〜5%=軽ソフト
8〜12%以上=リッチ
柔らかさ・風味・保水性アップ。
多すぎるとダレたり、温度管理によっては分離の原因に。
0〜50% ~10%でも変化有
多配合=ブリオッシュ系
風味・保水・軽さ・歯切れ・膨らみ向上。
入れすぎると軽くなりすぎることも。

 

レシピのアレンジ

上の配合目安を把握していれば、作りたいパンのレシピを、さらに自分好みにアレンジすることができるようになります。

表にある通り、風味や食感の変化だけではなく、材料や変更する量よっては作業面でもプラスに働く場合もあります。

 

ですがその反面、注意点もあります。

 

±数%以内から調整する

ベーカーズパーセントは、たった2〜3%の差でも作業性や仕上がりに違いが出ます。

パン作りに慣れていないうちから、いきなり大きく変えると失敗につながることも。

風味、食感、発酵スピード、生地の扱いやすさなど、それぞれの材料がパンに及ぼす特性をしっかり把握したうえで、パーセントを小さく動かして様子を見ることが大切です。

 

一度に複数の材料を大きく変えない

どれが原因で結果が変わったのか、分からなくなるからです。

例えば、複数の材料のベーカーズパーセントを同時に変更して作ったパン生地が強くベタついた場合、砂糖を増やした影響なのか、水分を入れすぎた影響なのか、油脂の影響なのかが判別しにくくなります。

そのため、慣れないうちは、まずは1項目だけ変更して試してみる、といった工夫が必要です。

 

中種法や湯種法の考え方

中種法や湯種製法を使う場合の配合計算は、通常の副材料の考え方とは少し違います。

副材料を求める場合は、小麦粉の量を100%として考え、「粉の何%か」を計算しますが、中種・湯種などは粉全体の一部として計算します。

 

中種や湯種は、粉全体(100%)の一部という考え方になります。

つまり、レシピで使う粉の総量を100%として考え、

そのうちの何%を中種や湯種に回すか、ということです。

湯種中種の水分は、総加水に含まれます。

《配合目安表》

製法 使用割合の目安(粉全体比) 割合による特徴 効果・注意点
湯種

10〜30%が一般的

主な材料:粉・水(熱湯)

10%:しっとり
20%:もちもち
30%:さらにもっちり
給水を上げられる
増やすほど生地は重くなる
入れすぎると扱いにくい・膨らみにくい
中種

30〜70%が一般的
100%中種もある

主な材料:粉・水・イースト

〜30%:控えめ・最低限の効果
60〜70%:よく使われる範囲
ソフト系パン向き
老化を遅らせる
割合が多いほど強く伸びる柔らかい生地
種類によっては軽くなりすぎることも

ただしこれは固定の数字ではなく、目指したい食感や風味、生地の扱いやすさなどに合わせて%は前後します。

パンの種類によっては、この範囲より少なくする場合も、多くする場合もあります。

 

湯種の計算方法

①粉の総量を決める

はじめに、100%とする全体の粉量を決めます。

例えば、粉300gのレシピで作るとして考えてみましょう。

300g=100%になります。

②湯種を何%にするか決める

湯種は20%にします。

総粉量は300gなので、そのうちの20%を湯種として計算します。

 

20(湯種%)×300(総粉量g)

÷100

=60(湯種に使う粉g)

なので、

湯種に使う粉:60g(20%)

本ごねに使う粉:240g(80%)

となります。

③湯種の水分量を決める

レシピによって違いますが、粉と同量~2倍の水(熱湯)を使用するのが一般的な湯種の作り方です。

 

【例】

「総粉量を300g(100%)」、「全体の水分を70%」「湯種の粉を20%」、

「湯種:水=1:2(2倍)」という条件で湯種に使う水の量を計算するとこうなります。

湯種に使う粉:60g(20%)

湯種に使う水:120g(40%)

 

本ごねに使う粉:240g(80%)

本ごねに使う水:90g(30%)

 

中種の計算方法

(湯種と同じ考え方です)

①粉の総量を決める

はじめに、100%とする全体の粉量を決めます。

例えば、粉300gのレシピで作るとして考えてみましょう。

300g=100%になります。

②中種を何%にするか決める

中種は70%にします。

総粉量は300gなので、そのうちの70%を中種として計算します。

 

70(中種%)×300(総粉量g)÷100

=210(中種に使う粉g)

中種に使う粉:210g(70%)

本ごねに使う粉:90g(30%)

となります。

③中種の水分量を決める

中種の生地の水分は通常の生地よりも少な目にします。

 

【例】

「総粉量を300g(100%)」、「全体の水分を69%」、「中種の粉を70%」、

という条件で湯種に使う水の量を計算してみます。

全体の水分69%としたとき、gに変換すると、「水207g」となります。

 

中種の生地は通常の生地よりも水分は少な目にするので、

「中種の粉70%に対して水40%」として、中種と本ごねの水を計算するとこうなります。

 

中種に使う粉:210g(70%)

湯種に使う水:120g(40%)

(+イースト)

 

本ごねに使う粉:240g(80%)

本ごねに使う水:87g(29%)

 

ココアや抹茶パウダー

ココアパウダーや抹茶パウダーなどの粉類も、粉の一部として考える場合もあります。

一部として扱うか扱わないかは、どちらが正しいというわけではなく、

レシピの作り手の考え方によって分かれるようです。

どちらの基準で計算しているのかを、自分で把握しておくことが大切です。

まとめ

当ブログで公開しているレシピにも、ベーカーズパーセントを表記していますが、

ベーカーズパーセントを覚えていれば、

グラム表記だけでは見えにくい配合のバランスが、

%という数値で把握できるようになります。

 

いちばんのポイントは、粉=100%という考え方。

まずは、いろいろなレシピを見ながら、

ベーカーズパーセントに変換する練習から初めてみてください。

配合を見る感覚をつかめるようになると、

パン作りの自由度が広がること間違いなしです。