らむずんブログ

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パン作りの中種法とは?ストレート法との違い・メリット&デメリットまとめ

こんばんは、らむずんです。

さっそくですが、「中種法」というパンの製法をご存じでしょうか。

 

湯種、オートリーズ、オーバーナイト、長時間発酵…など、パン作りにはいくつもの製法がありますが、今回はそのなかのひとつである「中種法」について解説します。

 

中種法」の最大の魅力といえば、

フワフワのパンが焼けること。

通常の作り方でも、条件次第で十分ふわふわのパンは焼けますが、

中種法で作るパンは通常よりもさらに、

ふんわり感がアップします。

 

「種」と聞くとなんだか複雑で難しそうに感じてしまうかもしれませんが、

実は想像するよりもずっと簡単。

 

この記事では、ストレート法との違い・何がどう違うのか、そして、メリットデメリットまで、順番にわかりやすくまとめました。

 

 

中種法とは?

最初に、材料の一部である小麦粉・水・イーストを混ぜて先に発酵させ

そのあとで、残りの材料(粉・砂糖・塩・油脂など)を加えて本ごねを行います。

材料の一部を発酵させた種を、残りの材料と混ぜ、生地を完成させる二段階製法。

 

このように、材料(生地)を二段階に分けて仕込む方法を「中種法」といいます。

 

ストレート法とは?

ストレート法とは、すべての材料を最初から一度に混ぜて生地を作る方法です。

この製法は、レシピなどにも多く登場する基本的な製法ですね。

ホームベーカリーにも採用されていて、家庭でもよく使われます。

 

ストレート法と中種法の違い

超簡単に言うと、

いきなり全部混ぜるのがストレート法

先に一部の生地を育ててから残りの生地と合体させるのが中種法

 

中種法で作るパンの特徴

柔らかくしっとりした食感

先に中種を作ることで、全体の発酵時間が長くなるため、

粉にじっくり水が浸透(水和)します

時間をかけて十分に水和が行われることで、

焼成後もしっとりした食感が保たれ、柔らかくきめ細やかなクラムになります。

 

ふくらみが良くボリュームが出る

中種・本生地と、二段階に分けてこねることは、グルテンの強化につながります。

また、中種を十分に発酵させてから本生地に加えるので、

本ごねの時点で既に安定した生地の伸展性が得られ、ガス保持力も向上します。

そのため、よく膨らみ、ボリュームのあるパンになります。

 

老化が遅く日持ちしやすい

時間をかけて水和させたことで、生地の保水力が高くなり、焼成後も水分が抜けにくくなります。

それにより、生地が硬くなるのを防いだり、柔らかさが持続する効果も得られます。

※ただし、中種の製法(発酵時間など)により効果は異なります。

 

中種法のメリット・デメリット

パンにとってのメリット

中種法で作ったパンは、仕上がりの食感や保存性の面でメリットがあります。

しっとり柔らかい食感
ふんわりボリュームのあるパン
パンの老化を遅らせる

詳しくは、前述の「中種法で作るパンの特徴」を参考にしてください。

 

パンにとってのデメリット

一方で、中種法は万能ではなく、作りたいパンによっては注意したい点もあります。

 

食感が軽くなりすぎる場合がある

生地の伸びが良くなり、ガスを均一に抱え込むことで

きめ細やかなクラムが期待できます。

その結果、口当たり良く、歯切れもいい食感に。

これらはソフト系のパンには大きなメリットですが、引きの強さ・もっちり食感を出したいパンには、軽すぎる、物足りないと感じる場合があります

 

小麦の風味が弱くなる場合がある

中種を長時間発酵させることで小麦の風味が薄くなると言われています。

ただ、体感として、「ストレート法と比べて大きな差はない」と感じる人もいます。

これは副材料の配合や、個人の好みよる部分も大きいです。

 

発酵管理の影響を受ける
これは中種法に限りませんが、中種の発酵の見極めや管理によって、仕上がりが変わります。

 

作り手側のメリット

作る側にとっての利点は、生地の安定性と作業効率にあります。

 

発酵が安定しやすい
中種段階で酵母が活性化しているため、本生地の発酵が揃いやすくなります。

 

生地が扱いやすい

中種を入れた生地はつながりが早く、まとまりやすい傾向があります。

 

コネ時間の短縮

中種段階でグルテン形成がある程度進んでいるため、本ごねでのミキシング(こね)が短く済み、こね作業の負担が減ります。

 

生地の発酵時間が短く済む場合も

中種で酵母の働きが整っているため、本生地の発酵がスムーズに進み、条件によっては発酵時間がやや短くなることがあります

 

作り手側のデメリット

メリットも多い反面、工程面での負担が増えます。

 

工程が増えて時間がかかる

中種の発酵 → 本生地の発酵

と二段階になるため、単純にストレート法よりも工程数と所要時間が増えます

 

発酵の見極め、温度や時間管理が必要

中種の状態によって最終生地が変わるため、
発酵具合・温度・時間の管理が重要になります。

 

どんなパンに向いている?

食パン

中種法は、ソフトでボリュームのあるパンに向いています。

例えば、山食パンは蓋をせずに焼きますが、

蓋をして焼く角食パンに比べて、生地の水分が飛びやすいです。

そこで中種法を用いることで、生地の保水性を上げ、しっとりふっくらした山食パンに仕上げることができます。

 

菓子パン

中種法は、菓子パンと相性がいいとされます。

例えば、クリームパン・あんぱん・メロンパン…など。

軽くて柔らかい生地に仕上げたいパンに向いています。

 

手作りのパンはどうしても、時間が経つと生地が硬くなってしまいますが、

温め直すと柔らかさは復活しますよね。

とはいえ、常温のまま食べたいクリームパンやあんぱん、あるいは温め直すと溶けてしまうフィリング(チョコなど)もあります。

できれば温め直さずにおいしく食べたい。

そんなときにも、老化の遅い中種法を活用すれば、温め直さなくても柔らかさが持続するのでおすすめです。

 

向いていないパンは?

短い発酵時間で仕上げたいパン

中種法は前段階で中種を作る時間が必要です。

なので、短時間で仕込み、焼成まで済ませたい場合は向いていないといえます。

 

作業時間の短縮だけでなく、

そもそも発酵の必要がないパン(短い発酵で仕上げるパン)もあります。

例えば、弾力・引きの強さが特徴のベーグルがそうです。

※中種法を使ってはいけないというわけではなく、あくまでも、標準的な作り方ではないということです。

 

素材の香りをストレートに出したいパン

ストレート法では、比較的発酵時間が短いため、小麦本来の風味を感じやすいというメリットがあります。

対して中種法は、発酵時間が長くなるので、素材の風味が弱くなるという意見もあります。

なので、香りをダイレクトに味わいたいパンには、中種法よりストレート法が向いているといえます。

 

まとめ

中種法のメリット

  • 柔らかく軽い食感を出したい
  • ボリュームを出したい
  • 老化を遅らせたい
  • こね時間を短縮したい

中種法のデメリット

  • 工程と時間が増える
  • 食感が軽くなりすぎる
  • 風味が弱くなる

 

このように、どんなパンでも中種法が最適、というわけではなく、

目指す食感や仕上がり、作業面でも、向き・不向きはあります

ですが、中種法でしか得られないメリットもたくさんあるということをぜひ知っていただきたいです。

特に、初めて中種法で焼き上げたパンのフワフワ感には本当に驚きます。

同じパンでも、様々な製法を上手に使い分けることで、求めたい風味や食感を再現できるようになります。

その選択肢の一つとして、中種法は覚えておきたい製法ですね。

ぜひ一度、試してみてください。