パン作りを始めたときに、「生地がベタベタして手にくっつく」「レシピ通りに綺麗にまとまらない」などの失敗やトラブルを経験したことはありませんか?
生地をこねるという作業は、パンを作りに欠かせない大切な工程です。
しかも一番最初のステップなので、ここで上手くいかないとつい焦ってしまいますよね。
そこで今回の記事では、こね作業で起こりやすいトラブルと、その原因、対処法までをわかりやすく解説していきます。
パン作りでの失敗をスムーズに乗り越えるために、まずは原因を理解していきましょう。
①生地がベタベタしてまとまらない
こね始めはべたつくもの
材料を混ぜて捏ね始めると、生地がベタベタして手についてしまい、なかなかまとまらないとき。
「これ本当にまとまるの?」と焦ってしまいますが、手ごねの場合は
最初(こね始めの10分から15分)は必ずベタベタするものなので、
そのまま捏ね進めても大丈夫です。
つまり、こね始めはまだグルテンが形成されていない状態。
最初は手に生地が付いてしまいますが、手にたくさんついたままこねるより、時々カード(ドレッジ)などではがしながらこねると次第に付きにくくなってきます。
こねるときは、指以外の手のひらでこねると生地が付きにくく、剝がしやすいのでおすすめ。
水分の問題
水分の計量ミス
こね続けても生地のベタつきが収まらないとき。
そんな時は、レシピの水や牛乳など、生地の水分となる材料の計量が間違っていないか確認しましょう。
もしも計量ミスで水分を多く入れてしまっていたら、強力粉を少しづつ足していくといいです。
こねながら、徐々に増やしていくと調整できます。(入れすぎると逆に水分が足りなくなるので注意)
強力粉の種類が違う
計量ミスはしていないのに、べたつくとき。
レシピ通りに作ったとしても、レシピを書いている人が使用している強力粉と、あなたが使用している強力粉の種類が違うと、べたついてしまう場合があります。
強力粉(小麦粉)には、適した水分量が決まっています。
レシピの強力粉の全量を100%として、それに対して約65%~70%の水分量が一般的ですが(ハードパンや高加水パン、ベーグルなどは除く)、使用している小麦粉の種類によっては、小麦粉に対して水分が多すぎる場合があります。
- 外国産の強力粉:抱えられる水分量(吸水率)が高い
- 国産強力粉:抱えられる水分量が低い
このように、外国産と国産で分けるとわかりやすいですが、例えば同じ外国産の小麦粉の中でもたくさんの種類・銘柄があり、特徴も違ってきます。(国産も同じ)
自分が使っている粉が、外国産なのか国産なのか、さらに、その粉にはどんな特徴があるのか、一度調べてみることをおすすめします。
もし、参考にするレシピに、小麦粉の種類が書いていない(わからない)場合は、レシピに記載されている水分を最初から全部入れずに、少しずつ加えていくことで、水分の入れすぎを防ぐことができます。
同じ粉を使用しているレシピを探して、そのレシピで作ってみるのもおすすめです。
温度・湿度の問題
水分・生地の温度が高い
水分が多すぎてべたつく、というのは想像しやすいかもしれませんが、加える水分の温度が高すぎることもべたつきにつながります。
よく、レシピに「ぬるま湯」などと記載されていたりしますが、それはイーストの活動を活発にするためです。
イーストは寒い場所では活動が弱くなるので、水分の温度で生地の温度を高くして、イーストが活動できる環境にしてあげましょうという意味で、ぬるま湯が推奨されます。
ですが、温かい季節(春から夏)や、室温が高いときに、水の温度まで高くしてしまうと、生地の温度はさらに高くなってしまいます。
さらに手ごねの場合、手の温度も生地に加わるので、生地の温度がより高くなることも。
生地が熱くなりすぎると、べたつきだけでなく、過発酵などの失敗にも繋がってしまいます。
加える水分が熱くなりすぎていないか、温度に注意する必要があります。
寒い季節はぬるま湯を、気温や室温が高いときは冷たい水を入れるなどして調整しましょう。
湿度が高い
特に雨の日など、湿度が高い日は、パン生地の水分に湿度の水分がプラスされるので、生地がベタつくことがあります。
小麦粉は湿気に弱いので、雨の日などは、いつもより水分を少しだけ減らすなどの工夫をしましょう。
油脂は後入れに
小麦粉は水と合わせてこねることでグルテンが形成され生地がつながり、次第にきれいにまとまります。
ですが、グルテンが形成される前の段階で、最初から油脂を入れてしまうと、油脂がグルテン形成の邪魔をして、いつまでもまとまらない生地になってしまうことも。
まずはバターなどの油脂以外の材料でこね、ある程度生地がまとまり、グルテンが形成されてから、バターなどの油脂を入れましょう。そうすることできれいにまとまる生地になります。
②生地が硬くてまとまらない
水分の問題
水分が少ない
生地がかたくてこねづらい、ぼそぼそしているとき。
水分が多いと生地はべたつきますが、逆に、小麦粉に対して水分が少なすぎると、生地がかたくなる原因になります。
「①生地がベタベタしてまとまらない」で書いてあることと、対処法は同じです。
水分の計量ミス(少なすぎ)がなかったか、小麦粉の種類が違っていないか、まずはこの二つの確認をしましょう。
水分が少ない場合は、5gずづくらいから増やしてみてください。一気に増やしてしまうと、べたつきの原因になります。
生地の乾燥
材料の計量ミスはないのに、生地が硬いとき。
この場合は、乾燥が原因の可能性もあります。
乾燥すると水分が奪われてしまうので、この場合も少しづつ水分を足すといいです。
捏ね終わった後も、発酵やベンチタイム、成型などの工程でも生地は乾燥するので、その間は濡れ布巾やラップをかぶせるなどして対策しましょう。
寒い時期のパン作り
水分温度・気温が低い
秋から冬、冬から春にかけて、室温が低く寒い環境でのパン作りは、パン生地が硬くなりやすいです。
さらに、水や牛乳などの水分を冷たいまま生地に加えると、生地自体の温度が下がり、生地は冷えてしまいます。
パン生地が冷えてしまわないように、仕込み水を温かくしたり(熱すぎはNG)、室内を暖かくするなどの工夫が必要です。
冷たいパン生地は硬くなるだけではなく、そのあとの発酵にも影響します。発酵が進まなくなり、発酵不足のパンになってしまいます。
まとめ
「こね」の工程で起こりやすいトラブルと対策を紹介しました。
パン生地をこねる工程は、パン作りの一番最初の工程であり、仕上がりにも大きく影響する大切な工程です。
パン作りがうまくいかないときには、必ず理由があります。
その理由を理解できれば、落ち着いて対処できるようになるはずです。
ぜひ次回のパン作りの参考にしてみてください。